コロナの石油ストーブの芯交換実例です。
レバー式の古い機種ですが、芯の交換自体はダイヤル式よりも簡単です。
コロナ製石油ストーブはガラス芯を採用しているものが多いのですが、燃焼不良等で芯の先端にタールが付いてダメになることが多く、着火不良や炎が十分
上がらないといった症状に なりやすいです。
販売店では石油ストーブの芯交換を行うところが少なくなってきましたが、買い替えよりも芯を交換した方が安上がりです。
芯の交換費用は芯代を除けばどの機種もほぼ一緒ですから、より高額な石油ストーブほど交換するメリットがありますね。
この実例で、芯代1,550円+点火ヒーター420円+交換工賃2,100円の合計4,070円になります。
コロナのSX-1870Yという古い石油ストーブですが、まだまだ現役です。
芯の上下はこちらのレバーで行うようになっています。現行品の多くは回転式のダイヤルになっていますから調整も楽ですよね。
点火用電池は単一乾電池が2本、本体裏面のソケットに入ります。電子式の点火タイプは単二電池4本になります。
油タンクを抜き、燃焼筒を外してから、両側面のネジ4本を外して、本体を上に持ち上げれば簡単に取れます。
本体カバーを外した状態です。それなりに錆びがありますが、年式なりかと思います。ほこりがかなりたまっています。
この丸い受け皿に燃焼筒が載ります。ストーブ上にやかんを置いたりして、こぼれるとこのようになります。
電池ケースからの配線が直結なので、点火装置と一緒に電池ケースも外します。
燃焼筒のガイドを外してから点火装置と点火窓カバーを外します。点火窓カバーのネジはあまり力を入れると変形します。
芯送り外筒は根元のナットを緩めて外します。ナットのサイズはM8でT字またはY字レンチを使います。
ナットは3か所にあります。交換後にはナットを平均して締め付けないと芯がうまく上下しません。
中にゴムパッキンがあり、大体引っ付いていますから、このようにマイナスドライバーで少しずつはがしながら外していきます。
芯の先端がタールで黒くなっています。原因は燃焼時に芯を下げすぎると、燃焼用の酸素が不足し燃焼不良になります。
芯ガイド筒は1か所のレバー接続で上下します。ここは錆びないようにステンレスが使われています。
この部分が芯を上下させる機構になります。横に出ているプレートを引き出すと、芯ガイド筒のピンが外れます。
芯ガイド筒がはずれたら、しばらくこのように置いておき、灯油を切ります。黒くタールが付着しているのがわかりますね。
芯ガイド筒から古い芯を外したところです。普通の交換方法では分解はここまでです。
ガイド内筒先端に整流版がついており、ここにタール等が付着していると燃焼不良の原因になりますので分解して磨きます。
上から見た状態です。この後、下板を外して温水にて洗浄します。洗浄しないとこぼれた灯油のにおいは取れません。
下板を止めている左右のプレートのネジを外します。上面のネジには気密性保持の為シリコングリスが塗られています。
油受け皿に残っている灯油をスポイトで汲み取ってい行きます。根気よくやらないとダメな部分です。
最後はティッシュでふき取りします。内筒の錆びや付着したタールも、この後一緒に磨いておきます。
かなりきれいになった状態です。この部分の手を抜くと燃焼不良になりやすく、交換後の芯が長持ちしません。
整流板を組み戻します。このリングには上下があり、間違えて反対にセットすると異常燃焼の原因になります。
下板はこんな状態ですが、たまったホコリに、こぼれた灯油が浸みていて臭いのもとになっています。
芯送りガイド外筒も内側にかなり錆が出ています。ワイヤーブラシで荒落とししてからサンドペーパーで磨きます。
ここの隙間を点火窓シャッターが移動します。付着物があるとスムーズに開閉できず、煙が出る原因になります。
交換用のコロナ純正芯です。
この向きで筒に入ります。芯に切れ込みがあるのは点火ヒ-タ-が当たってニクロム線が切れないようにはじめからこうなっています。
ガイド筒に芯を取り付けたら、内側からよく押し付け慣らしておきます。拳を入れてグリグリすると具合よく収まります。
ガイド筒と芯を組み戻した状態です。レバーを上下させて芯がスムーズに動くことを確信します。
さらに芯送り外筒を取り付け、M8ナットを均一に締めていきます。締め方が偏ると、芯がスムーズに動かなくなります。
ニクロム線型の点火ヒーターです。最近の石油スト-ブは電子点火式が多くなっています。
点火窓の開閉シャッターを取り付け、点火ヒーターの動きと合わせてスムーズに動くことを確認します。ここの締め付けは手力で。
これでほぼ完了です。
クリーニングした本体カバーを取り付けて完成。ここまでの所要時間は、約1時間です。
給油タンクも点検します。このタイプの給油タンクはコロナ特許の「汚れま栓」になります。
意外と見逃されるのがこの部分です。ごみの付着があったりするとキャップ先端からの油漏れになります。
真ん中のピンを引っ張りながらエアーをかけて付着物を取り除きます。ちょっとした手間で不安なく使えるようになります。
いかがでしたか?。機会 があったらダイヤル式の交換手順もアップする予定です。